話題:知ってる?今は使われなくなった歴史用語(廃語)

歴史教科書

歴史教科書で、聖徳太子が厩戸皇子(うまやどのおうじ)と表記することが問題となったことは記憶に新しい。結局、知名度抜群の聖徳太子の名が残り、厩戸皇子の名は並記するという形に落ち着いたが、それに限らず、歴史教科書内で今まで用いていた用語が現在は使われなくなっていることは多い。そのいくつかを紹介しよう。

■大和朝廷
3世紀から始まる古墳時代に「王」や「大王」(おおきみ)などと呼称された倭国の首長を中心として、いくつかの有力氏族が連合して成立した政治権力、政治組織として使われていた「大和朝廷」の名。しかし、実際には朝廷として存在していなかったため、現在では廃語となった。代わりとして「大和王権」「大和政権」という名が用いられ、「大和」も「ヤマト」と片仮名表記をする教科書もあるなど、一貫した表記ではなくなっている。

1192(いい国)年作ろう、鎌倉幕府
武家政権としてお馴染み、鎌倉幕府。1185年の壇ノ浦の戦いで政権が決定的となり、1192年に源頼朝が征夷大将軍に任命されたことから、幕府成立の時期が議論の対象となっている。現在のところは「1185年」が有力説となっているが、実は他にも、頼朝が東国支配権を樹立した1180年説、文所及び問注所を開設した1184年説などさまざまあり、今後も議論が重ねられていく予定だという。

■日本最古のお金、和同開珎
現在、日本の最古のお金は和同開珎から「富本銭」に成り代わっている。当初は、富本銭は中国から仕入れた銅銭をそのまま日本でも使っていたという説が定着していたが、後に富本銭は日本で作られたものであると判明。現在、歴史教科書で最古のお金は富本銭ということになっている。

■645年、大化の改新
645年で覚えた方も多いであろう、大化の改新。中大兄皇子と中臣鎌足が聖徳太子に代わり世の中をおさめ、改心の詔を出したことで知られるこの出来事。元号の始まりでもあったことからこの出来事は最近でも注目を集めている。しかし現在、645年ではなく、改新の詔の出された646年が大化の改新とされている。大化の改新はじわじわと改革を行っていたことから、645年から始められたとしても正しいのであるが、果たして。

■遣唐使の廃止
現在、中学の歴史教科書ではそのまま「菅原道真が廃止した」と従来の表記が残っているが、それ以外では「中止」との表現が一般的となった。遣唐使が廃止になった理由としては、中国や朝鮮などの海賊が急増したことによる危険性と、そもそも航海技術が確立していなかったことによるもの。加えて、日本の文明水準が当時の中国である唐とほぼ同等になったことにより、遣唐使を派遣する意味そのものが消滅してしまった。そのため、自然消滅してしまったと考えられており、中止との表現が使われるようになった。

そのほかにも、我々が学んでいた時代とは違うさまざまな表現や表記がある。それもこれも、歴史は発掘や発見により、未判明だった空白が常に埋められ続けているからだ。我々が習ってきた用語が廃語となってしまうのは少々寂しい気もするが、それは衰退でなく発展だ。今後も新しい事実が見つかっていくにつれ、教科書も変わっていくことだろう。


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赤松 伊織
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豊受真報編集長、赤松伊織です。読者の皆様に様々な情報をご提供できるよう精進してまいります。豊受真報をご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。