「ジカ熱感染症」拡大傾向に警戒 中国で初感染確認をうけ

ジカ熱 ウイルス

中国初となるジカ熱患者が確認されたことをうけ、中国広東省深セン市の出入境検験検疫局は、10日、水際対策を強化すると表明。中国国家衛生計画出産委員会によれば、ジカ熱感染した中国人は、南米ベネズエラを旅行して帰国した中国南部江西省の34歳男性。男性はベネズエラ滞在中の1月下旬から発熱や頭痛などの症状があり、香港や広東省深セン市を経由して5日に江西省に戻っていた。6日から現地の病院で隔離治療を受けており、病状は改善に向かっているという。深セン市は中国の玄関口と呼ばれていることもあり、中国政府などは警戒態勢だ。

WHO(=世界保健機関)は、中南米を中心に流行するジカ熱感染について緊急事態を宣言した。WHOが緊急事態宣言を行ったのは、2014年に西アフリカでエボラ出血熱が蔓延した以来となる。ただし、ジカ熱は蚊を媒介としたジカウイルスによる感染症のため、冬場である現在の時期は爆発的な感染はないだろうとの見方も示している。しかし、半年後にブラジル・リオ五輪が控えている。世界中から選手や観客が集まってくるだけに不安はぬぐえない。ブラジルでは軍を最大で22万人動員し、蚊の駆除や啓発を進めている。ルセフ大統領は、衛生当局者が空き家など私有地に立ち入ることを可能にする大統領令に署名するなど感染拡大阻止へ全力を挙げるという。五輪が感染経路になった場合、恐ろしい規模の拡大が懸念されるため、ブラジルではピリピリムードだ。

IAEA(=国際原子力機関)では、蚊の繁殖を抑えるため、放射線を用いた蚊の不妊化技術の移転事業を本格化させることを明らかにしている。放射線を照射して雄を不妊化させて大量に放し、個体数を減少させる計画だ。米国政府は議会に最低でも18億ドル(約2100億円)の対策費支出を要請する方針を示しており、中南米への支援も目指すという。日本政府も対策強化に乗り出した。厚生労働省は、ジカ熱を感染症法上の「4類感染症」に指定、患者を診察した医師に保健所への報告を義務づけた。3月上旬までに全国の地方衛生研究所や検疫所にウイルス検査キットを配布し、検査態勢を整えていく。空港などの検疫所ではチラシやポスターによる周知や、入国者に対しサーモグラフィーによる体温測定を引き続き実施するなど水際対策を徹底。啓発にも努めていく方針を打ち出した。

■ジカウイルス感染症とは?
ジカウイルス感染症は、蚊を媒体としたウイルス感染症。感染すると、発熱や発疹など風疹やはしかに似た症状が現れる。これまでにアフリカ、アジア、西太平洋の一部の地域で流行が確認されており、2013年11月にはポリネシア地域で大流行したことがある。日本では、同年、同地域で感染した日本人が帰国後に発症し、国内で初めてジカ熱の患者が確認されたことがある。一般に症状は軽度で、短期間に回復するとされているが、有効なワクチンや治療薬がない。また、症状が軽く感染を自覚しにくいことから、気付かぬ内に蔓延させてしまう場合がある。厚生労働省の説明は以下URLより。

(参照)

ジカウイルス感染症について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html

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赤松 伊織
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豊受真報編集長、赤松伊織です。読者の皆様に様々な情報をご提供できるよう精進してまいります。豊受真報をご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。