考察:海外はなぜいまラーメンブームなのか

ラーメン

2010年前後から日本のラーメンは海を越え、外国にも多大な影響を与え始めた。今や外国人にとっての和食の一番人気まで上り詰めたラーメン。なぜいまさらラーメンは外国で爆発的人気を博すようになったのだろうか。

ラーメンの原点は中国の麺料理だ。だが中国の麺料理の主流は麺に具を乗せたもの。主役は具だ。現在の形の日本のラーメンはスープと麺と具が揃って完成する。いま広くラーメンとして認識されているものは日本が独自に作り上げた形と言っていい。現在の形のラーメンが誕生したのは明治時代だ。その後カップラーメン、インスタントラーメンといった、いわゆる即席ラーメン商品が誕生する。日清食品によれば、インスタントラーメンは1958年に同社創業者の安藤百福が発明したとされるため、即席ラーメン完成の年が1958年と言ってよい。海外でいまラーメンが爆発的人気になっているのは、実はこの歴史が関係している。

日本ではラーメン屋のラーメンの後、即席ラーメンが誕生した。しかし海外では即席ラーメンが最初に広まったのだ。時期は1971年。その年、日清食品がカップヌードルを発売した(カップヌードル誕生は1961年)。当時売り上げはいまひとつだったが、容器は耐久性・耐油性に優れており、非常食としてじわじわ浸透。翌年1972年に連合赤軍の起こした「あさま山荘事件」で機動隊員がカップヌードルを食す姿がテレビで放映され爆発的ヒット商品になった。1980年代から海外にもカップヌードルが広まりをみせ、海外ではラーメン屋の“本物”の味を知ることなく即席ラーメンが主流となっていった。即席ラーメンが主流の海外では、2000年頃までレンジ調理するもの、煮込むものなどが浸透。ラーメンは家庭で即席麺を調理するものとして認識されていた。ところがインターネットの浸透と、日本のラーメン屋の海外進出で状況は一変することとなる。

博多一風堂、鳥人ラーメン、新撰組といった日本のラーメン屋が続々海外進出。“本物”のラーメンの味を知ってしまった外国人が口コミサイトなどにその驚くべき味を記す。面白いことにそういった海外の口コミサイトでのラーメンの評価は、やはり即席ラーメンと“本物”との違いを記したものばかりだ。和食ブームも相成り、ラーメンも爆発的に海外に浸透。その時期がちょうどいまなのだ。要するに、“本物”を知らず即席ラーメンをラーメンの味と思い込んでいた概念がひっくり返って、その反動が海外のラーメンブームを一気に引き起こしたのである。

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赤松 伊織
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