コラム:日本が切り開いてしまった音楽の新ジャンル「ゲー音」

安倍マリオ

リオデジャネイロ五輪が今年開催された際、その閉会式で花火と共にあの人気ゲーム「スーパーマリオ」のファンファーレが流れたことは記憶に新しい。日本は2020年の東京五輪に向けPRを行い、その際にもマリオを筆頭に「パックマン」が登場。日本人からするとまさかと思えるかもしれないが、海外で日本のテレビゲームは爆発的な人気を誇っているのだ。例えば大手ゲーム会社「Nintendo」(任天堂)を和英辞書で引くと、社名として以外に動詞で「ゲームで遊ぶ」と出てくる。それほどまでに地位を確立した日本のゲーム。その影響は計り知れず、様々な分野にまで波及しているのだ。

その一つが音楽。ゲーム音楽(以下、ゲー音)は日本でも一定のファンがいるが、海外の熱烈なファンは火力が違う。たかがゲー音と思ってしまってはいけない。海外はゲー音の曲だけの構成のオーケストラ・コンサートやコンベンションを開いてしまっているのだ。もちろん曲目は日本のゲー音ばかり。海外では大マジメなゲー音コンサートをばしばし開催しているのである。その一部を紹介したい。

クロノ・トリガー

スーパーマリオブラザーズ

ファイナル・ファンタジー

ロックマン(メガマン)

悪魔城ドラキュラ(キャッスルバニア)

ストリート・ファイターII

おそらくゲー音がこれほど地位を築いてしまったのは日本産のゲームだけだろう。なぜ熱烈なゲー音マニアが海外に存在するかというと、家庭の在り方が関係しているという。アメリカやヨーロッパなどの海外では、親子関係や兄弟関係は日本よりもドライだ。しかしテレビゲームがあると家族で遊ぶことになるので、その思い出が貴重なものになるのだという。

少し専門的なことを書いておくと、昔のゲー音は非常に考え抜かれて作られていた。「いた」と過去形にしているのは、現在ではその兆候が見られないから。現在ではマルチ音源やオーケストラ演奏までゲーム内で流せるほどにソフトの容量が大きくなっている。が、昔は違った。ファミコンに代表されるよう、独特の三角波で3和音。容量に厳しい制限があった頃の時代では、ゲー音は他の効果音を潰さないよう音域や音質、メロディラインまで慎重に練られて作られていたのだ。また横スクロール型のゲームに特に見られがちだが、主人公がやられてしまうケースが多いため、繰り返しその音楽を聞いても決して耳障りにならないよう、かつそのゲームの世界観がしっかり表れるようにメロディが作られていた。こうして出来上がったゲー音は、楽曲として聴いた際にもとても良い仕上がりなのである。また、三角波の3和音のシンプルな構成であるから、編曲が自在。海外でゲー音オーケストラコンサートが開催されているのはそういった日本の“ゲーム職人”たちの努力あったからといえるだろう。

今後も外国人から愛され続け、快進撃を続けるであろう、日本の誇るゲー音。一体どのような展開があるのだろうか、注目だ。

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赤松 伊織
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豊受真報編集長、赤松伊織です。読者の皆様に様々な情報をご提供できるよう精進してまいります。豊受真報をご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。