【論説】館中いじめ自殺事件で連合町内会は夏祭り前に献花を撤去せよと要求

館中央公園の噴水台の献花

2016年7月1日、仙台市の泉ビレジ館連合町内会(小金澤佳史会長)は、館中学校いじめ自殺事件の被害者を追悼する、館中央公園の噴水跡における献花を、連合町内会が主催する夏祭り前までに撤去するよう、仙台市泉区の公園課に要求したことを町内会だよりで明らかにした。
館中いじめ自殺事件の献花を撤去する要求
町内会だより(部分)
http://www.yakata-cc.odense.jp/5-15-2549.htmlhttp://archive.is/8zpuh
http://archive.is/8zpuh

町内会筋の情報によると、泉区公園課に寄せられた要望書には、夏祭り会場の公園にいじめ自殺者を追悼する献花があると不気味だからという内容の文言があったことが、指摘されている。
館中央公園夏祭り
夏祭りのメインイベントは盆踊りである。盆踊りは死者の霊を慰撫鎮魂するのが本来の目的であるため、被害者生徒を追悼する献花を夏祭り前に撤去させるという要求は、理解に苦しむ。そもそも、下村博文文科相(当時)も館中央公園の献花に理解を示しており、泉区役所公園課もまた、献花を約1年間黙認してきた経緯があることを、7月8日の河北新報も報じている。
公園は今も地元住民の憩いの場であり、噴水跡の献花も公園利用を何ら妨げるものではない。

2016年7月16日、FNN仙台放送は仙台市立館中学校男子生徒いじめ自殺事件を特集。被害者生徒の父親へのインタビューや、教育評論家の尾木直樹氏と奥山恵美子仙台市長の対談を放映した。
館中いじめ自殺事件
被害者である男子生徒(当時中学校一学年)の遺影
館中いじめ自殺事件の遺族
被害者生徒の父親。加害者生徒とその保護者らは複数回の調停において、「からかいはあったがいじめはなかった」といじめの事実を否定し続けたため、被害者の父親は加害者生徒8名と仙台市を相手取った訴訟に踏み切っている。
尾木直樹氏
尾木直樹氏は奥山恵美子仙台市政の教育体制のあり方を厳しく批判・追及。奥山市長はすべてを仙台市教育委員会の方針によるものであるとして、自身の責任であるとの言及を避けた。

仙台市教育委員会が6月29日に国に要求したのは、いじめ自殺があった場合どこまで公表すべきかの基準の提示と、いじめ自殺の関係者へのインターネット上の誹謗中傷を取り締まる法規制などであり、今なお「隠蔽」の体制が継続しているとも解釈できる。

館中学校いじめ自殺事件が起きたのは2年前の2014年9月のことであった。生徒の自殺直後、担当教諭は「彼は転校しました」と生徒に嘘の説明を行い、学校も市教育委員会もそれを了承した。その後の第三者委員会の調査により、いじめ自殺があったことが翌2015年8月に報告されたが、仙台市は学校名を秘匿。事件のあった館中学校の在校生にも事実を説明せず、「(加害者生徒の)名前を書くと名誉毀損になる」といった緘口令を生徒に徹底した。

その後、館在住の有志を中心に、館中学校に隣接する館中央公園の噴水跡地で献花が行われ、いじめ自殺があったのは館中学校であることが公となり、被害者遺族も献花に感謝した。学校と市教委と市長はこれまでの一連の「隠蔽」をすべて「遺族の意向」と説明し続け、仙台市内はもとより全国より批判が殺到。市議会・県議会でも質疑が集中し、学校のいじめ対策委員に警察のOBが常駐するなどの改善策が取られるにいたった。
仙台市泉区中学生いじめ自殺 市教育長、国に報告
義家弘介文部科学副大臣もこの事件を重く見、仙台市教育長に対して、加害者生徒による謝罪の重要性を強調した。

しかし、加害者生徒とその保護者はいじめの事実を否定。調停時も「からかいはあったがいじめはなかった」としている。そうした背景もあってか、今なお館中央公園の献花は絶える事がなく、清掃・管理も行き届いてる。花やポットや箱や像などは、いずれも固着されている訳ではなく、持ち運びが容易な状態のため、公園課も噴水跡の献花については、学校敷地内の献花台への誘導を立て看板に掲示しつつも、黙認を継続している。立て看板もまた、被害者遺族が加害者を相手に調停を開始した直後に立てられており、誰の要求があったか推測するに難くない。

いじめ自殺事件追悼の記帳
献花に寄せられた記帳は今月になって、記帳簿のページが破かれるなどの心ない行為が行われている。被害者の男子生徒は、いじめが自身だけでなく妹にまで及びかねない状況になったことを最終的な理由に、自殺したと考えられている。それゆえ、こうした記帳への破損行為は、非人道的と言わざるを得ない。
破られた封筒
被害者に宛てたであろう封書も、すべて破かれている。

館中学校いじめ自殺事件と公園の献花について、地元住民らが意見交換の場として日々活発に利用している「爆サイ.com仙台市雑談掲示板」では、30日の夏祭り当日は、PTAが噴水跡全体にブルーシートをかぶせる方針であるという、未確認の情報が告発された。その直後、館中学校は学年便りからPTAの幹部の氏名を伏せ字にした。
館中学校PTA本部役員紹介
http://www.sendai-c.ed.jp/~yakatajt/4gatsu/new–kariyon-3.pdf
一方で、元のPDFデータはそのまま残っており、今でも参照・証拠保存できる。
http://www.sendai-c.ed.jp/~yakatajt/4gatsu/kariyon-3.pdf
http://archive.is/UQy4x
とはいえ、PTAは無関係の可能性もあるので、30日夏祭り当日の事実確認までは、冷静な観察にとどめるべきだろう。

7月30日に館中央公園で開催される夏祭りは、誰でも参加することができる。市立の公園敷地内なので、一般入場を制限することはできない。事件の解決のためにも、献花を兼ねて訪れてみてはいかがだろうか。

2016年7月22日

※追記※
守修一泉区長
本記事の発表後、公園を管理する仙台市泉区の守修一区長(写真。市政だよりより引用)は21日の市議会市民教育委員会で、強制撤去しない意向を示したことが報じられた。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160722_11020.html

参考
<仙台いじめ自殺>公園献花撤去 町内会訴え
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160708_13011.html

<仙台いじめ自殺>父親「息子の名誉を守る」
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160701_13019.html

<仙台いじめ自殺>市教委が国に防止策要望へ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160630_11054.html

「繰り返さないために 尾木ママと考える教育論」を放送します。(動画あり)
http://ox-tv.jp/nc/smp/article.aspx?d=20160711&no=20

館連合町内会から
http://www.yakata-cc.odense.jp/5-15-0.html

仙台市連合町内会長会 役員名簿
http://www.sendai-sirentyoukai.com/yakuin/index.html

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天之加久矢
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